兵庫民医連では地域で働く家庭医を育てるために家庭医後期研修プログラムを用意いたしました。姫路医療生活協同組合共立病院(以下、共立病院)、ヘルスコープあぼし診療所(以下あぼし診療所)では医療・介護の密接な連携を行い、在宅・外来・病棟の連続したケアを提供しています。当法人の30年以上の実践は、個人、家族、地域を包括的に継続的に診療しており、まさに家庭医療そのものであると考えております。このプログラムでは、共立病院、あぼし診療所の医療を受け継ぎ発展させていくだけでなく、日本におけるスタンダードな家庭医療を身につけていくことを目標とします。
研修目標と特徴
【一般目標】
共立病院、あぼし診療所が提供している年齢、性別、健康問題に限定されない、継続的で包括的かつ効率的なヘルスケアを提供することができる。患者様を家族や地域の広がりのなかで、1人の人間として理解し、良好な信頼関係を築き、疾患の背景にある心理社会的な問題も重視しアプローチできる。 プログラム修了時には、それぞれの現場で活躍できる「家庭医」となることをめざす。
他に、家庭医の持つべき医学的な知識と技術を中心に、すべての医師が備えるべき能力(コミュニケーション、プロフェッショナリズム、組織・制度・運営に関する能力)について習得する。
【個別目標】
研修医それぞれにPre-Assessmentをおこない、研修医、指導医の要望、また共立病院、あぼし診療所、兵庫民医連および社会的ニーズをもとに知識・技術・態度のそれぞれにおいて設定する。
(一例)
知識;「患者中心の医療技法」のコンポーネント2「全人的にみる」について、実際の患者様の症例をもとに知識を整理してレポートを作成する。獲得した知識を少なくとも3つ以上は挙げることができる。
技術;「家族志向のケア」のおける「家族図」を、継続的ケアの中ですくなくとも3割の患者様について作成する。また「家族カンファレンス」を少なくとも3回はマネージメントを行いレポートにまとめる。
態度:臓器別専門医に喜んで患者様を紹介することができ、また逆に紹介を受けることができる。 Etc.
【プログラムの特徴】
姫路医療生活協同組合に特徴的な在宅・外来・病棟の連続したケアを行う。研修医はいずれも主治医として関わり、家庭医の技術を学び実践する。ヘルス・サービス・リサーチでは学会発表および論文作成を課題とする。
【研修支援】
研修評価とは別に、プログラムおよび施設管理者とは関係のないメンターを設定し研修医の援助を定期的に行う(民医連・医療生活協同組合のネットワークもしくは外部の医学教育者に依頼する)。
共立病院、あぼし診療所を基本に研修を行う。各診療科研修については民医連・医療生活協同組合、地域の病院・医院と連携して実施する。
【必修課題】
地域における健康増進・疾病予防活動
特に病院で研修をすべき内容
※特に診療所で研修をすべき内容
【選択課題】
※以上の必修課題、選択課題を通して姫路医療生活協同組合の事業に貢献すること
一年次 |
4月 |
5月 |
6月 |
7月 |
8月 |
9月 |
10月 |
11月 |
12月 |
1月 |
2月 |
3月 |
共立病院 |
小児科 |
産婦人科 |
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二年次 |
4月 |
5月 |
6月 |
7月 |
8月 |
9月 |
10月 |
11月 |
12月 |
1月 |
2月 |
3月 |
あぼし診療所 |
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三年次 |
4月 |
5月 |
6月 |
7月 |
8月 |
9月 |
10月 |
11月 |
12月 |
1月 |
2月 |
3月 |
あぼし診療所 |
他の家庭医療学機関 |
*ワンディ・バックもしくはハーフディ・バックの実施も検討
*内科学会認定医の取得を希望する場合は別途学会認定教育機関での研修を調整する。
研修評価は自己評価および指導医、他職種からの多面的な評価を定期的に行う。
責任者:藤本 壮之(共立病院・兵庫民医連研修委員)
2名