兵庫民医連後期研修外科コース
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兵庫民医連の後期研修

外科後期研修

兵庫民医連では3つの施設で外科研修を行っています。いずれの施設も中規模の市中病院であり、内科的合併症を有する患者や困難な社会的背景を有する患者も多数来院されます。標準治療やガイドラインから外れた個別の判断の必要に迫られることも多く、実践的な医療を経験することが可能です。さらには、国内留学も積極的に取り入れており、総合的な力量が得られるようサポートしております。外科医としての基本的な技術の獲得を進めながら「病気だけではなく人を診る外科医」を養成していきたいと考えております。

【獲得目標】

GIO(一般目標)

  1. 基本的手術手技の習得
  2. 外科で扱う疾患の知識と診断能力の習得
  3. 周術期管理に必要な全身管理の習得
  4. 外科専門医取得に必要な諸条件を獲得する

SBOs(行動目標)と方略

SBO-1 基本的手術手技の習得

  1. 見学によって指導医の手技を理解できるようになる。
  2. 手技のイメージトレーニングが行えるようになる。
  3. 実際に行った手技について指導医とともにフィードバックを行い、次回に生かす。

方略

最終的にはそれぞれの手術を一貫して執刀できることを目標とします。見学と学習によって手技の基本を覚え、イメージトレーニングを行い、その上で実際に執刀します。そして、その後のフィードバックによって次回に生かす、ということの繰り返しが技術向上に必要不可欠となります。

SBO-2 外科で扱う疾患の知識と診断能力の習得

  1. 主要な疾患の疫学について理解する。
  2. 診断に必要な検査とその評価方法を学習する。
  3. 悪性疾患についての病期分類が指導医とともに行える。
  4. 悪性疾患について病期分類に基づいた治療計画を指導医とともに立案出来る。

方略

症例毎に指導医とともに病気分類と治療計画の立案を行い、カンファレンスでプレゼンテーションを行います。また、内科で行われることの多い術前の検査にも積極的に関わり自ら施行します。

SBO-3 周術期管理に必要な全身管理の技術の習得

  1. 術前の全身評価を行える。
  2. 併存症の管理について理解する。
  3. 術後管理計画を指導医とともに立案する。
  4. 各手術で起こりうる術後合併症を列挙できる。
  5. 術後合併症の診断と治療を指導医とともに行える。

方略

術前の全身状態の評価を行い、カンファレンスでプレゼンテーションを行います。併存症がある場合はその管理についても立案し、他科へのコンサルテーションの必要性の有無を判断します。術後合併症の予防の観点から適切な輸液・栄養・その他の計画立案を行います。合併症が発症した場合はその診断、治療を行いながら経験を蓄積し、徐々に一人でも管理が行えるよう学習します。

SBO-4 外科専門医取得に必要な諸条件を獲得する

  1. 2年間の研修期間中に専門医取得に必要最低限な症例数を経験する。
  2. 学会発表、論文投稿を積極的に行う。

方略

日本外科学会専門医取得には最低350例の手術経験が必要です。そのうち120例は執刀医として経験する必要があります。
早期に専門医の資格取得を希望する場合には、外科学会専門医制度修練施設である神戸協同病院を中心とする研修期間を設定することで、学会入会後5年目の取得が可能です。ただし、外科専門医取得にあたっては領域別の最低症例数も規定されており、胸部・心臓大血管については我々の施設では経験出来ないため、専門研修期間内に他施設への短期出向期間を設けるか、将来外部研修先で経験する期間を設けるかの選択になります。
技量を早期に身につけることと今後の進路の方針を固めることを優先とする場合には、神戸協同病院以外の施設でも研修し、幅の広い知識・技量を育てながら、外科の中でもどの科をスペシャリティーとするかを考え、専門研修後の外部研修に役立てます。外科専門医獲得が外部研修先の期間内ということであれば、その間の身分は兵庫民医連が保障します。
学会発表は専門医取得には1回のみで十分ですが、経験した症例を大切にする観点からも積極的な学会発表を奨励します。最低でも1年に1回は学会発表を行い、2年間の研修期間中に1回は論文投稿を行います。もちろん指導医が十分なサポートを行います。

【研修スケジュール】

【研修病院の紹介】

1 神戸協同病院

<施設の特徴>

年間手術件数約300件(内、全身麻酔手術約130件)、消化器領域、乳腺領域の手術が中心。スタッフは全員、愛知県がんセンターなどの専門施設でがん治療の専門研修を受けている。地域の一般病院でありながら、今後増加が予想されるがん治療にたいして総合的に取り組んでいます。また、高齢者や他疾患のあるリスクの高い患者も多いですが、標準治療のみにとらわれず、個々の患者にもっとも適したオーダーメイドの医療を行っています。また、乳がん検診に積極的に取り組んでおり、その件数は神戸市内の病院で最も多いです。外来化学療法室を有し、乳がん・消化器がんに対する薬物療法は外来中心で行っています。

<施設認定>

■継続手続き中

2 東神戸病院

<施設の特徴>

年間手術件数約350件(内、全身麻酔手術100件)、消化器領域の手術が中心ですが、小児・呼吸器の手術も経験可能です。また、肛門疾患・乳腺疾患症例が数多く経験出来るのも特徴です。
内視鏡下手術に関しても、胃・大腸・乳腺に関して積極的に取り組んでおります。

<認定施設>

3 尼崎生協病院

<施設の特徴>

年間手術件数160件(内全身麻酔手術約100例)、消化器領域の手術が中心。小児鼠径ヘルニアなどの小児外科手術も経験出来ます。内痔核に対してはALTA療法を取り入れ、日帰り手術も行っています。特に胃・大腸の対する腹腔鏡下手術に力を入れて取り組んでおり、症例数は現在年間30例程度ですが、年々増加傾向にあります。日本内視鏡外科学会技術認定取得者が常勤しており、十分な指導が可能です。麻酔科標榜医2名常勤しており、整形外科・産婦人科の麻酔を担当しているので麻酔の指導も可能です。また、主に消化器癌に対して入院・外来でも化学療法を行っています。マンモグラフィ読影認定医師が2名常勤しており、乳がん検診にも積極的に取り組んでいます。

<認定施設>

【後期研修終了後の進路について】

後期研修終了後は外科幹事会の評価が行われ、外部の専門施設での研修に出向したのち、正スタッフとして帰任していただきます。専門医取得が外部研修先になる場合は、取得までの期間の身分は兵庫民医連で保障します。どのような分野の専門研修を行うかは、県連全体の方向性と本人の志向とすりあわせながら県連外科幹事会で決定いたします。あくまで本人の志向を優先しております。
現在スタッフとして勤務している医師の外部研修実績は後述の通りです。これ以外の施設での研修も可能です。専門研修期間中に外科学会専門医試験を受験し専門医を取得します。または、外科学会指導医や外科学会以外の専門医の取得に向け、可能な限り必要条件を獲得し、帰任後に専門医・指導医を取得します。

専門研修実績(現スタッフの実績〜重複あり〜)

愛知県がんセンター中央病院
  • 4名
東京都立墨東病院
  • 2名
癌研究会有明病院
  • 1名
国立がんセンター中央病院
  • 1名
奈良大腸肛門病センター
  • 1名
大阪医科大学附属病院
  • 1名

研修プログラム責任者

申智宏、鶴原知子(東神戸病院外科)、大浦康宏(尼崎医療生協病院外科)

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