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EKCCを開催しました!

 新しい年を迎えました。皆さん、如何お過ごしでしょうか?

2019年12月21日(土)の午後から、恒例のEKCCを東神戸病院で開催しました。
EKCCとはEast Kobe irculation ircle の頭文字を取ってこの名称にしました。
循環器疾患の基礎説明や、数件の症例報告を参加者全員で学習しています。
1年間に4回(3ヶ月に1回)を目途に活動を続けており、今回で何と!記念すべき『第30回』目となりました。テーマは『あのアスリートは何故亡くなったのか?
~高脂血症と動脈硬化~』です。

 ある症例では、87歳の女性で寒気、左胸痛あり。胸部レントゲン、採血結果や心電図、心エコーの解析から、高脂血症・大動脈弁狭窄症・陳旧性肺結核を疑い、LDLが高値で、アキレス腱レントゲン撮影の結果や、診断基準に当て嵌めると『家族性高コレステロール血症(FH)』と診断されました。家族性高コレステロール血症は決して珍しくない疾患で、尚且つ、大動脈弁狭窄症は高コレステロール血症と因果関係があるそうです。

 さて、テーマの「あのアスリート」とは、実はノルウェーの水泳アスリートのダーレ・オーエン選手の事です。彼は2011年7月25日世界水泳選手権大会(in上海)で金メダルを獲得しましたが、2012年4月30日、合宿先のアメリカ・アリゾナ州で享年26歳の若さで急死しました。正式な死因は『アテローム性冠動脈疾患』と発表されました。彼は以前から動脈硬化を抱えており、それが死因の直接の原因であると誰もが認識していました。また代々、循環器疾患の家系で、祖父も心臓病のため42歳の若さで亡くなっています。又、彼自身も『家族性高コレステロール血症』の持病もあったと言われています。EKCCの学習会において講師から、彼自身も恐らく持病の事や、遺伝的体質の事も充分認識していただろうという見解でした。治療を実行すると競技にも支障をきたしアスリートとして、その名を遺す事も出来なかっただろう事は、誰よりも彼自身が一番理解していたのではないか?
 命を賭してまで競技に打ち込むその姿に、崇高さ、更には狂気すら感じたのは私だけでしょうか?

 以上、EKCC学習会の簡単な報告でした。当日の参加者は45名。看護師、コメディカル職員や他病院の現役医師や現役医学生も参加してくれました。 次回日程が決まればNEWSでお知らせします。このブログを読んで興味が湧いた方は参加して、一緒に勉強をしませんか?    (担当者:TF)





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