兵庫民医連後期研修内科コース
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兵庫民医連の初期研修
兵庫民医連の後期研修

内科後期研修

内科後期研修

 

一年次

(卒後3年目)

二年次

(卒後4年目)

三年次

(卒後5年目)

病院総合内科コース

兵庫民医連病院

兵庫民医連病院

スタッフ配属

臓器別研修(外部)

他県民医連病院、他

家庭医研修とリンク

診療所(1~2回/週)

 

家庭医コース

(阪神、姫路コース)

家庭医研修プログラムに基づく

スタッフ配属

外部研修

病院総合内科プログラム

【はじめに】

兵庫民医連内科後期研修

兵庫民医連は、4病院、20医科診療所、7歯科診療所に加え、数多くの介護福祉事業所を有し、地域の医療と介護福祉のネットワークをつくってきました。その中心を担う医師については、1980年頃より独自の新卒医師研修受け入れをおこなってきました。そして、新医師臨床研修制度に基づく初期臨床研修についても、地域基盤型の特徴を持つ研修受け入れをすすめてきました。現在、初期研修に引き続く各科の後期研修を計画していますが、総合内科後期研修は、診療所や介護施設と緊密な連携を有する都市型地域病院を主なフィールドにして、継続的、包括的な地域医療を提供できる総合内科医を養成することをめざしています。また、総合内科後期研修プログラム終了後に、続けて内科臓器別専門研修や家庭医後期研修とリンクすることも想定されています。

【プログラム名】

兵庫民医連 病院総合内科後期研修プログラム

【プログラム運営の基本目的】

  1. 地域の人々の健康問題に広くかかわり、住みよい街づくりに貢献する
  2. 社会経済的に弱い立場にある人々の健康を守る

以上のミッションに共感し、地域中小病院で活躍できる総合内科医を育成する。

【基本到達目標】

  1. EBMを重視したよく訓練された臨床能力をもち、都市地域病院における患者中心の臓器にとらわれない内科入院、外来診療、在宅診療、保健予防活動をバランスよくおこなうに必要な能力、各臓器別の専門医、病院との密接な連携が取れる能力を獲得すること。
  2. 後輩の身近な指導医として学習者中心の臨床教育を実施できるようになる。
  3. 生涯学習者として自己決定型学習を実施できる。 常にアップ・トゥ・デイトな情報にアクセスでき、EBMを実施しつつ、反省的実践家を志向できる。
  4. 仲間として常に協同で学び、チームの一員としてその責任と役割をはたすことができる。
  5. 地域指向性プライマリケアに関する実践の基礎的能力を獲得し、地域の健康問題に対して科学的な視点でアプローチする。 そのなかで、地域の人々とたがいに育ち合うことに生きがいを感じることができる

【研修対象、期間、定員】

対象者:初期臨床研修修了者(修了直後でなくても良い)

期 間:2年間

定 員:6名

【研修施設】

  1. 兵庫民医連の病院 

    共立病院(一般病床56床)

    神戸協同病院(一般病床142床、回復期リハ病床48床)

    東神戸病院(一般病床100床、回復期リハ病床45床、緩和ケア病床21床)

    尼崎医療生協病院(一般病床199床、緩和ケア病棟20床開設予定)

  2. 地域都市型無床診療所

    兵庫民医連内診療所

  3. 他県民医連の病院

    耳原総合病院(一般病床374床、緩和ケア病棟あり)

    *緩和ケア研修:東神戸病院、尼崎医療生協病院、他

    *リハビリ研修:神戸協同病院、東神戸病院、他

    *救急研修:耳原総合病院、他

【カリキュラムの特徴】

内科領域での臓器にとらわれない横断的な知識の習得と様々な場面での実践を行いつつ、社会、心理的状況も含めた幅広い健康問題に対応できる総合医としての力を身に付ける。また常に最新の知見を身に付け、医療水準の向上をみずから行える力も身に付けることができる。

1. 地域医療の実践と牽引者を目指す

地域医療で求められる全ての要素をカリキュラムに盛り込むことで、文字通り地域医療を学び、地域での様々なニーズを理解し対応する。そのうえで、みずから地域医療の概念を発展させ、豊かな内容にできるような医師を目指す素地を形成できることに重点を置いている。

2. スケジュール

  1. シニア1年目:地域中小病院12ヶ月で、兵庫民医連家庭医学会認定カリキュラムとの共通プログラム(救急研修は2年目)

  2. シニア2年目:中核病院での救急研修、緩和ケア病棟研修、リハビリテーション研修を含む。1年目の院所より異動するかどうかは相談による。

 

一年次(卒後3年目)

二年次(卒後4年目)

各年度の特徴

内科総合研修

救急研修

リハ研修

総合内科研修

救急研修

リハ研修

緩和ケア病棟(3ヶ月)

診療所で在宅診療
(1~2単位/週、通年)

研修施設

主に地域中小病院

1年間、同一病院で研修

主に地域中小病院

耳原総合病院

指定診療所

3. 評価

  1. 自己評価および指導医、他職種、地域の人々からの多面的な評価を行う
    • 「ポートフォリオ」「セルフ・アセスメント用紙」による自己評価
    • 研修レポート、「セルフ・アセスメント用紙」による相互評価
    • 学会発表、論文による評価
  2. 各年度終了時における研修到達(アウトカム)の評価
  3. 全研修期間修了時における総合評価
兵庫民医連内科後期研修

4. 研修支援

研修評価とは別に、プログラムおよび施設管理者とは異なるメンターを設定し研修医の援助を定期的に行う(近畿の民医連・医療生活協同組合のネットワークもしくは外部の医学教育者に依頼する)。

5. 指導体制

初期研修における指導責任医師とは別に指導責任医師を配置する。ただし内科医師が集団的に指導に関わる。

6. 学習環境

Up-To-Dateなど2次データベースへのアクセスは院内にて保証される。

7. 研修終了後の進路

兵庫民医連でスタッフ医師として就職することを希望される場合は、外部での専門研修が保証される。また家庭医を希望される場合は、兵庫民医連家庭医学会認定カリキュラムへ編入は可能である。研修医本人の希望や適性に応じ、研修委員会が対応する。

8. 外部専門研修

外部研修は、各自の学習ニーズを尊重しつつ、地域医療充実のために必要とみなされた場合に可能である。これまでの実績に捕らわれることなくおおいに学ぶ意欲を持っていただきたい。

外部研修は原則1年間。

9. 研修プログラム責任者

責任者:多田俊史(東神戸病院)

副責任者:萩野真(神戸協同病院)

 

【目標と方法】

  1. 病棟診療

  2. <一般目標>

    • 地域の中小病院における内科入院患者の主治医として診療をマネージメントすることができる。

    <個別目標>

    • 臓器にとらわれない一般内科疾患に対する適切な入院治療・精査ができる。

    • 高齢入院患者に対する適切なケアマネージメントができる。

    • リハビリテーションや緩和ケアの基本的な考え方を理解し、主治医になれる。

    • 適切な時期に各臓器別専門医にコンサルトができ、連携をとることができる。

    <方法>

    • 研修場所は兵庫民医連内病院の内科および緩和ケア、回復期・リハ病棟である。

    • 後期1年目:内科病棟で5~8人を受け持つ。初期1年目の直接指導も担当。

    • 後期1年目:内科病棟で10~13人を受け持つ。後期1年目と初期1年目を指導(チーフレジデント)

    • 後期2年間のいずれかで、緩和ケア病棟でターミナル期の患者(3ヶ月)、リハ病棟等でリハビリが必要な患者を受け持つ。

    • ベッドサイド手技(中心静脈カテーテル挿入、気管内挿管、各種穿刺手技など)に習熟する。

  3. 外来診療
  4. <一般目標>

    • 地域の中小病院における内科外来患者の診療をマネージメントできる。

    <個別目標>

    • 地域の人々に日常的に起こる健康問題に対して適切な診断、治療、紹介も含めた初期対応が行える。

    • 地域の人々の健康増進、疾病予防のために適切な慢性疾患管理を行える。

    <方法>

    後期一年目

    • 一般外来:週1~2単位(~12名/単位)

    • 指導:外来途中で困ったことがあればすぐに相談できる体制。

    • 1週間に一度、指導医とカルテチェック。

    後期二年目

    • 予約(もしくは一般)外来:週1~2単位(15名~20名/単位)

    • 指導:外来途中で困ったことがあればすぐに相談できる体制。

    • 1週間に一度、指導医とカルテチェック。

  5. 二次救急

  6. <一般目的>

    • 地域の二次救急診療ができる。

    <個別目標>

    • 二次救急患者に対して適切な診断、治療、三次医療機関への紹介も含めた初期対応が行える。

    <方法>

    • 日中の救急当番:週1~2単位

    • 当直:月2~3回程度(指導医の許可が出るまでは、原則として指導医とダブル当直)

    • ACLS講習会へのインストラクター参加。

    • 指導:救急対応途中で困ったことがあればすぐに相談できる体制。

    • 指導医と気になるケースの振り返り。

  7. 在宅診療

  8. <一般目的>

    • 虚弱高齢者、障害者、癌ターミナル期の患者の主治医として診療ができる。

    <個別目標>

    • 在宅でよく起こる病状変化に対応できる。

    • 在宅患者の病状安定とQOLの向上をすすめることができる。

    • 在宅で使用する医療機器について指導でき、安全に処置ができる。

    • 介護者や家族の心理的ケアができる。

    • 障害や介護に関わる制度を理解し、関係書類の作成にも習熟する。

    <方法>

    • 週1回の継続した訪問診療と適宜臨時往診をする。

    • 在宅カンファレンスへの参加と訪問診療指導医との相談。

  9. 予防活動

  10. <一般目標>

    • 健診活動と基本的な保健指導(疾病予防と健康増進)をおこなうことができる。

    <個別目標>

    • 一般健診の診察と結果返しができる。

    • アスベスト被害対策など社会的な取り組みに参加できる。

    <方法>

    • 健診の診察、結果判定、結果返しを行なう。

    • 地域の班会の講師をおこなう。

  11. 技術手技

  12. <一般目標>

    • 地域の中小病院の日常診療に必要な検査手技を習得する。

    <個別目標>

    • 腹部超音波検査は必須とする。

    • 上部消化管内視鏡検査、心臓超音波、その他、将来の得意分野に関連した検査はオプションとする。

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