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精神科研修で思うこと ②

みなさん、そろそろ師走ですね。いかがお過ごしでしょうか。

 

2年目研修医いむいむです。

 

前回好評だった精神科研修の続編です。

 

精神科は病棟研修もあります。

精神科では他の科とは異なり、病状的に入院を承諾できる判断ができない場合もあり、精神保健指定医の判断により緊急に入院をするという場合があります。

法律などによりいろいろと事務的な作業が必要となりますが、患者さんや患者さんの家族を守るためにはやむを得ません。

入院期間中に一定落ち着いてきたら任意入院という入院の同意を得られることがありますが、なかなか現状では難しい時があります。また、患者さんが極度の興奮状態や躁状態になっている時はやむを得ず隔離や拘束を行うことがあります。その際には毎日頻回の診察をしなければなりません。

 

初期研修医は病棟の先生とともにそういった方の診察にあたることがあります。

躁状態や統合失調症、拒食症やパニック障害、不安障害などさまざまな方を診察させていただきました。

入院されている患者さんたちは家族や社会になかなか理解されていない苦しさを精神障害という形で表出されているように感じました。

今はとても「生きにくい社会」なのかもしれません。場合によっては、長期の入院となることもざらではなく何年も入院されている方もいらっしゃいます。また、家族も「最後まで病院で見てほしい。」と考えているため患者さんの行き先が本当に無くなっています。このような精神科の状況は世界の状況から見ても非常に遅れています。果たしてこのような現状でよいのでしょうか?

 

精神障害を持つ方に対する偏見は少なからず私の中にもあります。

身内に精神障害者がいたとしても自分自身の中の偏見は無くならないのでしょう。しかし、自分の中の偏見の大きさを小さくすることはできると思います。まず、自分の中で偏見があるということを自覚しつつ、自分が医療者としてこういった方々の支援者になることができるようになりたいと感じるようになった。それが精神科研修の最大の成果だったのだと思います。

 

~ 2年目研修医 I ~

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