トップページ> 研修医ルーム > 『対極を愉しむ』という題名を見て・・・
2年目研修医のjun1です。
『GOETHE』という男性雑誌があります。
テーマは『24時間仕事バカ!は人生を謳歌する』、『仕事が楽しければ人生も愉しい』というもの。
かの文豪ゲーテがそうであったように
仕事を、旅を、女性を愛し、人生を最大に謳歌する、
そんな時代のビジネスマンに捧げます。
だそうな。テーマの当否は置くとして・・・
そんなビジネスマンが日本に何人いるか知らないけれど、創刊して5年近く経っているので、『一部のそんな日本人』と『そんな日本人になりたいと夢想するその他大勢』の人々がこの雑誌を支えています。
突っ込みどころ満載の雑誌ですが、今回は突っ込みをするブログではありません。
雑誌『GOETHE』には、多くの雑誌がそうしているようにインターネット版があります(ウェブ版とも言います)。
その中に『対極を愉しむ』という連載があり、出井伸之さんという以前SONYの社長、会長兼CEOをされていた方が書かれています。
実は1度も読んだことがなくて、今回も読むことはなく連載の題名を見たら、色々思考がつらつらと繋がってブログを書いています。
対極か~ということで・・・。
先日、東神戸病院の藤末先生(全日本民医連会長)と私と1年目研修医のI先生と事務の方の4人でお好み焼きを食べに行きました。
I先生は色んな事に熱心で、最近は色んな先生の面談に入らせてもらっているそうな。
そんな彼女が、自分の面談での能力の無さを実感するばかりです、と藤末先生の前で吐露するので、藤末先生から、彼女にとっても私にとっても色々とためになるアドバイス&お話を聴く事ができました。
そんなお話の中で、
『柳田邦男はやっぱり巧い事言うな、医者は2.5人称でないとあかんて言うてたんや』
『その通りやねん、医者は患者さんとの関係において2人称でも3人称でもダメなんや』
と藤末先生。
大先輩のお話を神妙な顔つきで聴いている彼女を見ながら、
『2.5人称と言うのは比喩で、時には2.4人称に、2.3人称に、あるいは2.6人称に、2.7人称に自在に目盛りを、距離感をその時々に応じて感じて変えて反応していくのだよ』
と私なりの解釈を言おうとするが、酔余の勢いで気持ち良さそうに話されている全日本民医連会長を見ながら、話を遮ってはマズいと思い黙って拝聴。
2人称と3人称の間を行ったり来たりする。
対極を行ったり来たりする。
臨床の現場では医師は主観と客観との間を行ったり来たりします。
患者さんのベットサイドでは主観で、治療に関する文献を読む時は客観で。
主観だけでも客観だけでもダメだし、もちろん主観と客観の間のどこに定位すれば正解というのはなくて、主観と客観の間を行ったり来たりします。
でも対極を行ったり来たりするのは、医者以外の仕事でも同じだと思います。
別に行ったり来たりするのは主観と客観に限ったことではなく、文系と理系、体育会系と文化系、外科と内科、緊張と弛緩、強気と慎重、親と子、大人と子供(幼稚なのはダメです)、男と女、などなど・・・
などと書いていたら、また別の話が思い浮かんだけど、今日はここまでにしときます。
写真は、東神戸病院の医局でノビノビ昼休み休憩中の私です。いつも陽気に医局の雰囲気を盛り上げてくださる外科のS先生が『おいおい~、なんやその格好は、それでビール飲んでたら、草野球の休憩中みたいやんけ~』と言いながら撮って下さった写真です。