トップページ> 研修医ルーム > 『腹部画像の読み方がわかる本 第2版』
初めまして、2年目研修医のJun1です。
最近読んでいる医学書について、少し書きたいと思います。
~腹部画像の読み方がわかる本 第2版~
誠江会田中医院院長 加藤高明 著
日本医事新報社
救急外来で腹痛の患者さんが来られて、腹部CTをオーダーするけど、読影に自信がない・・・。
で、研修医室に大量に置いてくれているH先生の医学書の中から拝借してきました。
この本の面白いところは、腹部の臓器について2つの軸を基本に考えているところです。
①左大腿骨頭と右横隔膜を結んだ軸
②上記の軸に直交する軸
『限られた空間に各臓器を整然と配置』するにはどうしたらいいのか?
・最も距離のとれる対角線上に臓器を配置すればよい。
・そしてその対角線に直角に臓器を成長させれば体積を効率よく増大させる
ことがでる。
という考え方です。
なるほど~、で・・・。
具体的には、①の軸上に臓器が配列しています。
各臓器の軸は①の軸と直交しているとのこと。
なるほど~、確かに。
肝臓も、胃も、膵臓も、横行結腸も、小腸も。
このように2つの軸を意識しながら画像を考えて読むと読影力も身に付きやすいとのこと。
確かにそんな気が・・・。
などと考えながら読んでいると、ふと・・・。
どうして『陸上のトラック競技は左回り』なのか。
右に傾いて走るより、左に傾いて走った方が、腹腔内臓器が安定してバランスを取りやすくなるからか?
野球部の練習でダイヤモンドを右回りさせられると、妙に回りにくかったことを思い出します。
別のことと別のことが結びつく瞬間というのは何だかワクワクしますよね。
と、また別のことが・・・。
野球と言えば、『左バッターは右バッターに比べてうつ瞬間に身体が開きにくい』ということ。
これも臓器の並びから説明できるかも・・・(野球に興味のない人すいません)。
興味の出てきた人は一度手に取って、絵を見るだけでも面白いので、パラパラと読んでみてください。
色んな思考を刺激されて面白いです。
ではなくて、腹部画像が読めるようになります、たぶん。
<追記>
腹部エコーを当てるときなども臓器の並びの軸を意識すると判りやすいとのことです、確かに。