トップページ> 研修医ルーム > 偶然の話 − NHK教育テレビ『コロンビア大学白熱教室』−
吉田病院での精神科研修を終えて尼崎医療生協病院に産婦人科の研修で帰って来たjun1です。
今年も尼崎医療生協病院、東神戸病院、神戸協同病院には多くの高校生が『１日医師体験』に来て下さいました。
楽しかったよ、ありがとう(^ ^)/
将来、医師を目指していて、医学部を受験するつもりです、と話してくれた高校生も沢山いました。
医学部合格したらまた来てね〜(^ ^)/
今日は、そんな受験生に向けて。
先日、NHK教育テレビで、『コロンビア大学白熱教室』なるものを再放送していました。
その日の題目は第1回「あなたの人生を決めるのは偶然？選択？」というもので、その中で『偶然の話』を受講生にしてもらう場面がありました。
その番組を偶然チラッと見て、またまた番組の内容を全く見る事なく、あれやこれやと頭の中で話がつながってブログを書いています。
もうすぐ大学受験シーズンで、国立大学の２次試験が近づいてきました。
私は神戸大学医学部を受験したのですが、２次試験の科目は数学、英語、理科（物理、化学、生物、地学から２科目選択）でした。
試験前日の勉強は、『問題集を開くと気になる問題が沢山あり過ぎて不安になって寝られなくなるので、問題の数が決まっているモノが良いな〜』と思い模試を１回分見直して寝る事にしました。
見直したのは一番最近受けた模試（代々木ゼミナール主催『神戸大学模試』）。
真面目に解こうとして解けないと不安になるので、答えを見ながら気楽な感じで見直しをしていたのですが、最後の化学の問題を見直している時、模試を受けた当時の記憶がよみがえってきました。
どのような記憶かと言うと、
『折角、お金を払って模試を受けているのに、こんな出そうにない問題を出して・・・』
という不満でした。
その問題（イオン交換樹脂）は見たことは当然あったのですが、神戸大学の過去問でも過去１０年で１度しか出題されておらず、また書店に並ぶ化学の問題集でも掲載されていない問題集の方が多い、という種類の問題でした。
私の持っていた化学の問題集（６冊）でも１題のみ。
というわけで上記のような不満を抱いたしだい。
ほとんど見かける事もない問題だったので、解き方も知らず、どうせ出ないからと知ろうともせず、当然模試では解けませんでした。
そして、２次試験の前日に再びこの問題を見たのですが、試験の前日の見直しを途中で投げ出して寝るのも、何だかスッキリ寝床に付けないので、答えを読んでみると・・・。
以外と簡単な問題で、私の考え方は真逆の考え方をしていたので、反対に考えたら簡単に解ける事が解りました。
もちろん、どうせ出題されないと思いながらですが。
ここまで読んで来たら何となく次の展開が解りますね・・・。
そうです、次の日の本番で同じ問題が出たのです。
英語、数学と順調に解けて、いい感じだな〜と思っていた次の理科で大苦戦していたのですが、理科（物理、化学）の最後の問題が全く同じ問題でした。
１５点分のその問題を速攻で解き終わり、他の問題に費やす時間も生まれ、御陰で何とか合格することができました（センター試験は悪かったですし）。
合格して思った事は、
『人生で努力は大切だけれど、運の占める割合は思いのほか大きい』
というものでした。
合格した人に比して何ら遜色ない努力をしたけれど、結果が不合格だった人が何人もいたはずです。
だから受験シーズンになると、不合格だったからといって、『自分に努力が足りなかったと、あまり自分を責めないで欲しい、人生を悲観しないで欲しい』と毎年のように思います。
人生では入力した数値に見合う結果が得られるとは限らない、むしろ報われない努力の何と多い事か。
だから、有名な人が自分の成功を努力の御陰という類の本を出したりインタビューで答えたりしていると、いつも話半分で聞き流しています。
あと歴史を必然のように語る人の話も。
運が占める割合は思いのほか大きいです。
しかし、逆説的な話ですが、『自分には何かが足りなかった』と思い努力を続ける人だけが、運の所為にしない人だけが次のステージに進むことができます。
頑張れ受験生。
でもって、受けた模試は見直して下さいね。
まだ間に合いますから。
エラそうなことを言っていますが、私が模試を見直した回数は１回だけです。
すんませんm(_ _)m
＊ 下の写真は、ルーブル美術館に所蔵されている『サモトラケのニケnike』で、ニケnikeはギリシャ神話に登場する勝利の女神です。
あの有名なスポーツブランドの名前の由来もここから来ています。
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