トップページ> 家庭医ルーム > 家庭医も見習いたい理容師さん
以前通っていた散髪屋さんは多くの理容師さんがいて、
作業も分担されシステマティックに運営されていました。
お客さんごとにカルテがあり、来店日とどんな髪型にしたかをはじめ、
趣味や年齢、仕事、好きなプロ野球チームなど事細かに書かれていました。
そのため、初めて会った理容師さんでもいきなり
「最近スワローズ調子がいいですねえ」
などと話しかけてくれます。（ちょっとやりすぎかも）
技術も申し分なく、長い間通っていましたが、転居に伴い
新しい散髪屋さんを開拓する必要が出てきました。
数件行ってみましたが、なかなかいいところがありません。
そこで、思い切って小さな個人の店に入ってみました。
家族だけで経営しているその店はとてもアットホームで、もちろん
カルテなんてありませんでした。
雰囲気もサービスもよかったです。
驚いたのは約1ヶ月半の後、2回目に入ったときです。
椅子に腰掛けると
「前と同じくらいでいいですか？」
と尋ねられました。
「ええ？！、あ、は、はい。お願いします。」
と答えましたが、
しかし、たった一回行っただけで、しかも特別印象に残る会話も、
というか、会話なんてほとんどしてません。
にも関わらずです。
覚えていた？うーん。誰にでも言うのかな？
実は本当に覚えておられたようです。
すごい。
ふと自分に置き換えて考えてみましたが、初診の患者さんをカルテなしに
覚えるのは至難の業です。
見習いたいと思いました。
ちなみに、私は特別巨人であったり、つるっパゲであったり、あるいは
独特の服装をしたりはしていません。あしからず。
～指導医 森～
