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居場所が大事

毎月、手元に届く雑誌の一つに、「月刊地域医学」がある。地域医療振興教会が発行している。

毎月、地域医療の研究や報告がのっている。

10月号は第5回へき地・地域医療学会が特集されていました。

ヘルスプロモーションで岩室紳也先生は、メンタルヘルスへのアプローチについて講演されている。
その中から。

WHOは健康の定義に、SpiritualとDinamicの二語を付け加える検討をしている。

Spiritualとは自己肯定感が満たされ、心がわくわくしたり、励まされたりする感覚であり、Dinamicとは健康は継続性、連続性の中にあるという状態という意味だという。

自分が安心でき、ほっとできる、気持ちを打ち明けようと思えば打ち明けられる居場所、自分を自分として、いるだけで認められ、排除されない居場所。

家庭や地域が内包していたはずの居場所。それが崩壊しつつある。
いま、居場所づくりが、こころの健康対策にとっての課題であると。

長い引用になりました。

岩室先生によると、自殺者を年齢補正してみると、高齢者では減少しているそうです。

介護や福祉サービスのネットワークのどこかで、高齢者たちは悩みを相談できているとも推測できる。

毎日のように、病棟でも外来でも高齢の患者さんの「居場所」について悩んでいる。

いろんなことひっくるめて考えなくてはならず、まさしく複雑な数式のよう。

その人の最期の「居場所」を、納得のいく選択ができるようアドバイスする医師としての総合的な判断力を磨いていきたいな。


~指導医 あわじ~





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