週に半日の往診単位。
季節を感じる時間。
いまは、町中が金木犀のいい香りです。
今日が初めての患者さんから、八年以上のお付き合いの患者さんまで。
今日も患者さんや家族のいろんな言葉に教えられたり、考えさせられたり。
認知症が少しづつ進行している妻を介護するだんなさんの言葉。
先生ねぇ、たとえば、ごきぶりが家の中を走っても、おい、今、ごきぶりがいたぞって、そういうことがだんだん話せないんですよ。話したとしても気の利いた反応がない。毎日、思いついた言葉の十のうち一つくらいを言ってみるけど、あとは自分の中に浮かんで消えていく。こういうのはね、孤独なもんですよ...。
認知症のケアの本をいくら読んでも書いてない、リアルな介護の中からでるつぶやき。
私たちにできることは、大切に毎日を暮らしているご夫婦のこれからを、みんなで支えていくだけ。
～指導医あわじ～
